ワーキングマザーのリアルを切り取った話題の映像、その続編が公開。

再生回数は約60万回(2015年1月5日時点)、ワークスタイルムービーと銘打たれた話題の短編映像『大丈夫』

2014年12月1日の公開から1ヶ月、2015年の幕開けとともにそのスピンオフムービーが公開に。

cybozu

 

プロジェクトを担当したコーポレートブランディング部長の大槻幸夫氏に制作に至る経緯や舞台裏のお話を伺いました。

企業がネットで発信する映像は通常、広告を使ってより多くの方々に見てもらうものですが、今回は当初広告を出しておらず口コミだけでここまで広がりました。ですので、弊社もこうした反響には驚いています。

弊社では毎年、エイプリルフールに趣向を凝らした情報を発信しているのですが、2013年は仮面ライダーのショッカーをテーマにしたものだったんですね。怪人の軍団がグループウェアを導入したという設定で。サイボウズからの提案書をパワーポイントで見せるなど、彼らに対する営業行為も演出。これはこれで関係各位にとても面白がってもらえたのですが、2014年はどうする?となった時に「もう、こういう方向性ではないよね」という空気があり結果的に主力事業であるグループウェアを訴求するというより、もっと幅広い世間に対してサイボウズという会社名を知っていただくほうがよいだろうと総意がまとまりました。

最近はサイボウズLiveという無料サービスを始めたこともあり、PTA、学生、マンションの管理組合、同人誌サークルなど企業の枠を超えて社会に根付くグループウェアとして広がりつつありますので、それまでのターゲット層である情報システム部やIT担当者だけでなく、一般の方にも会社名を浸透させたいとう思いがありました。となれば、具体的な商品やサービスよりも「ウェブ上で情報を共有する習慣」を広めることが先決。私が担当しているサイボウズ式もその一環と言えます。メールなどではなく機密性の高い安全な場所で情報をやり取りできることをもっと知っていただきたい。今まではサイボウズはB to Bのブランドでしたので、今回の映像『大丈夫』をご覧になった多くの方にとって私たちは“はじめまして”だったわけです。

多くの人が関心を持つ事柄、いま社会で話題になっていることを洗い出ししていく中で、私たちの取り組みと合致していて、なおかつ他社が手掛けていないテーマは何かと絞り込んでいったのです。そこで「働くママのワークスタイルの問題」が出て来ました。

ここからさらに外部の制作会社、スタッフのみなさまを交え協議を重ねる中で、ワーキングマザーの「日常あるある」にスポットを当てることになりました。制作チームは全員、働くパパとママという頼もしい布陣で多様な意見を突き合わせながら制作が進められました。男性陣はロジックにこだわり最後に解決策を求める一方、女性陣はあくまでもリアルさへのこだわりを追求。何度も意見が食い違うことがありましたが、今回はあくまで女性陣がプロジェクトをリードし男性陣はことごとく劣勢を強いられることに…。しかし、結果的に当事者であるワーママならではの視点から多くの共感を得るすばらしい映像が完成いたしました。

普通、CMはせいぜい1日か2日で撮影されるものですが、今回私たちはのべ4日間にわたり撮影を敢行しました。それだけ、さまざまなシーンが必要だったということですね。2014年の4月初旬に撮影、9月に仮編集、11月前半には音楽を挿入、そこからいよいよ最終形へと。一般公開に先立ち11/28に行われたサイボウズの自社イベントで約3,000人の方にご覧いただきましたところ、非常に好感触を得て、そのまま12/1の公開に踏み切りました。

いざふたを開けてみた結果は再生回数などで、大きく予想を上回ることになりましたが、実にさまざまな反響が各方面から寄せられました。変わったところでは、アーティストのNOKKOさんが自身のライブで「こんなすてきなCMがあるんですよ」とおっしゃっていただいたことなどもありました。

ネガティブな反応も少なからずありました。その最たるものは、「問題だけ見せて、解決策を示していない」「で、サイボウズには何ができるの?」など、映像を作った私たちに向けられたもの。ただ、私たちはこのムービーで安易にソリューションを描こうとは思いませんでした。社会全体の問題に対して、グループウェアというツールで解決する部分などあまりにも微々たるものです。それよりも、まだまだ育児をママ任せにしているパパに、この現実に気づいてもらうきっかけになればと思ったのです。

制度も大事。ITを使った業務改善も大事。でも、この問題がなかなか解決しないのは、その中心にいる私たちの意識が変化していないからでは、と考えました。魂が入らない仕組みでは、成果が出ません。理想を提示してしまえば「うちは違う」とスルーされます。解決策は夫婦の数だけ違うはずです。自分事として気づいてもらうきっかけを作りたかったのです。映像の最後に出るコピーにもその想いを込めてあります。第2弾となるこの映像も、仕事始めに放映することで引き続き「働くママ」をめぐる課題がさまざまな場面で議論されるきっかけとなることを切に願っています。

 

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