4時間で働くケースも出現。アパレル業界で広がる、時短勤務の波

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10月末より発売となったアンダーカバーとのコラボレーションラインが前回のプロジェクトに引き続きおしゃれなママとパパに大好評なユニクロ。同ブランドを展開するファーストリテイリングが11月10日、子育て中の社員をはじめ多様な働き方を推進する狙いで4時間勤務の導入を明らかにしました。朝日新聞のインタビューに対し柳井 正会長兼社長が語ったところによると、同社がこれまで育児、介護中の社員に限り行っていた6時間勤務をさらに進めたもの。さらに店長を複数人、配置することで長時間勤務が困難な対象者をバックアップすることも検討するとのこと。ちなみに、上場以来、10年連続で増収を達成しているサンドラッグが店舗マジメントと接客サービス、異なる店長業務を社員二人体制で行い好業績を上げているケースもあるため、こちらの施策も注目したいところ。政府が指導的な地位に就く女性の割合30%を掲げるように、ファーストリテイリングではこうした取り組みを通じて、執行役員など幹部クラスに産後の女性を抜擢する可能性も開けてきました。

同じくアパレル大手企業クロスカンパニーの場合、創業間もない1990年代前半すでに短時間勤務を実施。当時、女性社員が結婚を機に次々と退社する事態を目の当たりにし「6時間勤務ができれば働ける」との声を迅速に反映させた歴史があります。その流れを受けて、こどもが10歳になるまでの時限措置としてキッズプラン10を制度化、正社員の4時間勤務を可能にしたことで、平成19年度の男女共同参画社会づくり表彰を受賞。女性管理職の比率についても「社会の要請に応えるために」無理矢理に引き上げるのではなく、あくまでコーポレート・ガバナンスの観点から取り組んでいる点で先進的です。

内閣府男女共同参画局推進連携会議議員を務める、同社創業者の石川康晴氏は自著『アース ミュージック エコロジーの経営学』の中で次のように語っています。

これまでの経営を振り返ってみると、企業は男性だけによって意思決定をするのは十分と言えないし、同時に女性だけで重要事項を決めるのもよくないと思います。やはり、男性も女性もお互いの立場で意見を述べ合うことによってこそ、しっかりとガバナンスが効いてくると断言できます。

また、6時間勤務については、ZOZO TOWNを展開するスタートトゥデイが導入したことも記憶に新しいところ。休憩を取らない場合、午後3時には退社でき保育園や幼稚園のお迎えに有利なため、子育て世代には大いに気になる事例です。六時間労働の“ろくじろう”、平日八時間、通常勤務の“へいはち”というお茶目なオリジナルキャラクターを株主総会の資料にも登場させるほど熱心なPRを繰り広げています。

エンドユーザーとの接点であり、企業と社会をつなぐ営業の最先端、販売のお仕事で産後の女性が活躍するチャンスが広がりそうです。

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