日本初、ワーキングマザーを表彰するアワード「ワーママ・オブ・ザ・イヤー2014」が12月5日に開催されました。この企画は、メディアやIT関連企業にそれぞれ勤めるコアメンバー4名の女性が核となって運営する任意団体パワーママプロジェクトが主催したもの。月1回の朝食会「パワーママmorning」、3ヶ月に1回の頻度で行われる「パワーママnight」といったイベント、Facebookでもほぼ毎日、投稿を続けるなど精力的な活動を2013年6月より1年半にわたって展開、その立ち上げ期の集大成としてクラウドファンディングのMakuakeを通じ調達した資金、そして協賛企業のスポンサードを得て開催にこぎつけました。
開催の挨拶をサイボウズ代表取締役の青野 慶久氏が務め、目下話題沸騰中のワークスタイルムービー「大丈夫」の次回作が会場限定で特別公開されるサプライズがあったり、育休取得中のイクメン香山ピエールが特別ゲストに登場したりと、受賞者の発表を前に会場はおおいに沸きました。
過去にプロジェクトのサイトにインタビューを掲載したおよそ80名の中から今回、総勢8名の受賞者が選出されましたが、どなたもビジネスの世界、社会貢献の分野で輝かしい足跡を残しているまさに“パワー”みなぎる方ばかり。左上から時計回りに、吉田穂波氏(産婦人科医)、 柏ちひろ氏(インターネット広告代理店オプト勤務)、神野美穂氏(サイオンアカデミー代表取締役、「ママ士業の会」代表)、太田理奈子氏(広告代理店勤務)、海野由紀子氏(テレビ局勤務)、鷲見美緒氏(クックパッド勤務)、中山理香氏(楽天勤務)、岡野純子氏(浦安市議会議員)
トークセッションでは司会を務める企画&MC担当の椿奈緒子氏からの2つの質問に対して下記の通り当意即妙な回答を披露。
あなたにとってワーママとはなんですか?
吉田氏「行ったり来たりでストレス相殺」、柏氏「HAPPY」、神野氏「着ぐるみ」、太田氏「幸せを育てる」、海野氏「自由」、鷲見氏「すべてを広げる機会」、中山氏「社会貢献」、岡野氏「打破」と、きわめてポジティブな解釈が続き、
「十年後のワーママはどうなっていると思いますか?」
吉田氏「スタンダード」、柏氏「普通・主流」、神野氏「みんなで育てる」、太田氏「ワーママということばが消えている」、海野氏「一大勢力」、鷲見氏「楽しさの代名詞」、中山氏「憧れのお仕事、特権階級」、岡野氏「戦力」と、全員ワーママが主流派になっている未来を信じて揺るがないご様子。
「浦安市を日本でいちばん子育てが楽しい街に」を掲げる岡野議員が賞状授与の際、エルゴベビーの抱っこひもで赤ちゃんを背負いながら登場し場を和ませたかと思いきや、今年、世間を騒がせた都議会や国会でのセクハラ騒動を引き合いに「政治の世界ではあの程度は序の口」と具体的なエピソードをオフレコ発言。あるいは、自身の名前が香山リカと一字違い、そうリカちゃんにちなんで命名されたというエピソードで中山理香氏がゲスト香山ピエール氏との数奇な運命をアピール。さらに、ストップ風疹 赤ちゃんを守れプロジェクトを主導した海野氏が「本来、この受賞は夫がすべきもの」と、育児を支えるパートナーへの感謝の気持ちを吐露し来場者をじーんとさせるなど、笑いあり感動ありでアップテンポなセッションとなりました。
そして、第一回という記念すべき大賞はクックパッドを人事面から支えてきたパワーママ、鷲見美緒氏に決定。「適当な性格。レトルトを使うことにも罪悪感はない」。そんなわたしが受賞するなんてと、想定外の受賞であることを率直に感想を述べる一幕がありました。
クックパッドといえば、「人事はくじ引きでもかまわない、と思っています」(『クックパッド社員の名刺の秘密』より)と代表執行役の穐田 誉輝氏が語るようにとてもフレキシブルな考えに基づく組織として知られています。その人事部にて彼女は24歳で入社以来、一貫して人事畑を歩み産休、育休明け復職後もそれまでの中途採用に加え、新卒採用も担当。仕事での実績はもちろん、着実にキャリアを重ねながら子育ても謳歌している彼女の姿に共感が集まった結果となりました。
社員数が20名程度だったクックパッドの草創期に同社にジョインした鷲見氏。 同社の名刺にはレシピが書かれていることが話題ですが、 彼女は「娘のお食い初めの日、大人用に作ったチーズケーキです」とNYチーズケーキが。なお、審査の基準は特定の誰かによる思い入れや恣意的なプロセスはいっさい介在せず、実にフェア。サイトのPV、フェイスブックページの“いいね”件数などを定量的に解析、民意を反映させているところがこの団体らしい選考方法です。
はたして、第2回の栄冠は誰の手にわたるでしょうか? 今から楽しみにしておきましょう。