アメリカのニュースチャンネルNBC newsが10月14日、フェイスブックとアップルが女性社員の卵子凍結に補助金を支給すると報じ日本でも大きな話題となりました。
出産の適齢期とキャリアアップの時期が重なってしまうことは国や地域を問わず多くの女性が直面することであり、当事者の意識やふるまいだけでは到底、状況を変えることができない問題です。
今年の2月、厚生労働省から企業に対して「従業員が希望する妊娠・出産を実現するために」と題する通達がありました。晩婚・晩産化が進行したことにより、働きながら不妊治療を受ける女性が増えていることが背景にあります。自治体を通じた特定治療支援事業については4月に見直しが図られ新制度へ移行、年齢制限が設けられた代わりに回数や期間の制限が撤廃されました。
一方、不妊にまつわる情報提供やカウンセリング、啓発活動を積極的に行っているNPO法人Fineもやはり企業に対してCSRの観点から不妊治療サポート制度の導入を呼びかけるなど近年、女性を抱える企業への社会からの期待は高まるばかりです。
ドコモ・ヘルスケアが提供する無料アプリ「リズムノート」に計測データを転送し、 日々の管理が簡便な婦人用電子体温計 MC-652LC。
基礎体温や月経リズムを測れる婦人体温計を9月に発売したオムロンは 2005年度から不妊治療について休職制度を設けると同時に、グループ従業員の共済会WITHを通じて通算20万円までの治療費を補助。
2006年には松下電器産業(現・パナソニック)が不妊治療のために通算で365日の休業が可能なチャイルドプラン休業制度を導入、シャープはグループ会社を通じ不妊治療で最高500万円を貸し付ける融資制度を新設。 2007年にはキャノンが母性保護のための「マタニティー休業制度」に続き「不妊治療費補助制度」と「不妊治療休暇制度」などの出生支援策を相次いで打ち出しました。
今年の5月にはIT大手サイバーエージェントが女性支援の新制度macalonを導入。不妊治療での急な通院や体調等に考慮し、当日でも取得ができるという柔軟な制度で、女性・婦人科、不妊外来の経験を持つ保健師が「妊活コンシェル」となって社員の悩みや不安などを解消すべく対応するもの。あえて、中立な立場でアドバイスをもらえるよう医師ではなく保健師の協力を得ることに。相談内容については保健師、
また、抱っこひも最大手ブランドのエルゴベビーを扱うダッドウェイは4月より「こうのとりサポート」を開始。こどもを授かるために必要な治療費用はもちろん、養子縁組に必要な費用までも支援の対象としたことがポイント。 同社の家族支援手当に関するポリシー「家族の最小単位の夫婦を大切にする - そこで育まれる命を大切にする」に準じ、年間12万円を上限として最大5ヶ年60万円まで支給されます。この手当の申請は職務上のレポートラインと切り離され、上司へ報告せず直接人事部に申請でき、利用を検討している社員の心理的負担の軽減に配慮されています。
働きながら第一子を期待する女性ばかりでなく、ふたり目未妊の女性にとってもこうした制度や風土がある会社の動きは今後も気になるところです。