ここは保育園? 産後の女性が集うママカフェの聖地。

赤ちゃん連れのママ、パパたちにとって聖地のようなお店。曜日や時間帯によっては、まるで保育園状態ともいえるほど、赤ちゃんが寝転がったりはいはいしたりしている姿を目にするカフェ、それがチャノマです。

チェアではなく、ソファでもない、テーブルさえもない一風変わった座席。靴を脱いでリラックスできる小上がりのマットレス席という斬新さ、丸いお盆のようなトレイで飲食を楽しむというユニークな発想。同店ではおなじみのスタイルですが、当初は赤ちゃんや小さなこどもはまったく想定しておらず、純粋にムードを大切にするおとなのための空間としてイメージされたものでした。

想定外の反響に戸惑いながらも、子連れ家族に好評だったことから、親子の撮影イベントやベビーマッサージをはじめ多彩なワークショップを開催、こども向けに特別メニューも用意するなどママ向けの営業を強化することになったのがその名もチャノママ(chano-mama)です。独立した店舗名ではなく、時間帯を限定して展開する、あくまで代官山店の一貫、いわばチャノマの姉妹ブランドとしての位置づけ。この名前を掲げて以降、売上は前年比120%増が1年以上続くなど、好調に推移したのだそう。

そして昨年の暮れに、チャノママ名義として初出店を果たしたのが伊勢丹新宿本館6階に誕生したラッテ チャノママ。リモデルオープンしたマタニティ・新生児コーナーの一角にあり、連日ママ&ベビー、キッズでにぎわっています。

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「こどもを遊ばせておくスペースがあり、その間に親が食事を済ませる」。そういう考えとは対極にあり、こどもが喜ぶおもちゃや絵本、遊具などの類はいっさいなく、むしろ無駄なものがなく空間はシンプルそのもの。化学調味料、精製された白い砂糖は不使用、野菜を多用したメニューを提案するなど、ママが気になるポイントをおさえることは当然、幼いこどもへの配慮にもつながっています。

お客さんのニーズを応えると同時に、チャノママがもたらしたよい結果がもうひとつ。同店を手掛ける株式会社商業藝術はほかの業態で夜メインのお店が多く、女性の従業員が定着しづらいという課題がありました。昼間の営業時間でちゃんと利益を出せることが証明されたことにより、そうした働き方を見つめなおすきっかけにもなったのだそう。

産後間もない頃に外食をする際、お座りできない赤ちゃんを解放できるスペースがあるのはうれしく頼もしい限り。お座敷や貸し切りスペースのように敷居も高くなくカジュアル、かつおとなも楽しめる雰囲気の良い飲食店は実にありがたいですね。チャノマ自体は代官山、中目黒、横浜赤レンガ倉庫などを皮切りに大阪、名古屋、広島など出店数を着実に増やしていますが、チャノママとしては初出店。今後の展開もおおいに気になります。

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