幼いこどもが駆け抜けるように成長する。刹那を生きる家族のものがたり

ゴールデン・グローブ賞の三冠という栄誉に輝いた映画『6才のボクが、大人になるまで。』が現在、絶賛公開中です。

時間とは実に不思議な概念で、ひとぞれぞれ感じ方が違いますし伸び縮みするもの。もちろん、時計や時報は同じ長さの時を刻むものとして社会に受け入れられています。でも、それをどう感じるかは千差万別。そして、こどもの成長をそばで目の当たりにすることほど時の流れに思いをはせるきっかけはないでしょう。

あっという間に過ぎ去っていくものか、ゆったりと緩慢に過ぎゆくものかにかかわらず、生きている間の時間というものが、かけがえのない瞬間の積み重ねであることをこの映画は独特な味わいで教えてくれます。

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PG12指定  TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

回想シーンとして幼少期、青年期を子役が演じ、おとなの時代を別の俳優が演じる。普通、映画はこの手法で描かれるところを前代未聞、4人の俳優が12年もの歳月をかけて家族を演じることで圧倒的なリアリティを持たせている本作。

かつて誰もチャレンジしたことがないその演出意図によって、見る者を映画に流れる時間へと引き込み、その世界へ没入させてくれます。何気ない日常的なシーン、静かに淡々と映し出される風景がすべてクライマックスの感動のために用意されていたことを、後から気づかされる。それぐらい、さりげない描写が映画全体を覆っています。

主人公メイソンの母親オリヴィアを演じるパトリシア・アークエットはゴールデン・グローブ賞で助演女優賞、これに先立ちシアトル国際映画祭では主演女優賞に輝いています。彼女はワーキングマザー、いつものようにエレメンタリースクールへ息子を迎えに行くところから物語は始まります。家計を支えるために「より給料の良い仕事」を求めて引越しを断行し、やがて大学で職を得て精神的にも経済的にも自立していく女性。多感な時期を過ごし成長していく姉のサマンサと弟のメイソンと同じように、オリヴィアもまた映画の中で確かな成長を遂げていきます。

いつでも同じママと同じパパがいて穏やかな雰囲気が漂う家庭ではありません。少し複雑な人間関係で常に悩みや葛藤が絶えず、こどもたちの心に暗い影を落とす出来事も起こります。必ずしも理想的とは言えない人生かもしれないけれど、あらためて、家族が共有できる時間が奇跡のようなものであることを気づかせてくれるすてきな映画です。

 

2014年、いや、21世紀に公開された作品の中で並はずれた傑作の1本である。

A. O. Scott(THE NEW YORK TIMES)

 

個人的なドラマを描く壮大な叙事詩。

Steve Zeitchik(LOS ANGELES TIMES)

 

ひたすら流麗な作品である。劇映画のストーリーテリングに前人未到の成果を上げた。

Eric Kohn(INDIEWIRE)

 

映画の終わりまで目を離せない壮大な経験。

映画に終わってほしくなかったし、このドラマから立ち去りたくもなかった。

Alex Billington(FIRST SHOWING)

 

唯一無二の偉業。参った。継ぎ目のない12年間の物語! まさに人生!

Jordan Zakarin(BUZZFEED)

 

一生に一度出会えるかどうか、というほどの映画だ。

Mike Ryan(THE HUFFINGTON POST)

 

★★★★(最高評価)

新しいアメリカンクラシック、今年の最高傑作。

成長していく姿をスクリーン化した前人未到の映画だ。

Peter Travers(ROLLING STONE)

 

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